2022年6月と7月に読んだオススメの本紹介

引っ越しで忙しかったことを言い訳に6月と7月のオススメの本紹介をまとめてさせてください。

前回投稿した本紹介はこちらから

 

読んだ本リスト
  • ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと / 奥野克巳
  • 複眼人 / 呉明益
  • 生まれた時からアルデンテ / 平野紗希子
  • 夜空はいつでも最高密度の青色だ / 最果タヒ
  • オリーブ・キタリッジの生活 / エリザベス・ストラウト

目次

ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと / 奥野克巳

ありがとうやごめんなさいの意味を表す言葉を持たないプナンの民は狩猟を生業とする原始的な民族です。

時間の概念もなく、朝起きれば狩に出かけその日の空腹を凌ぐ。究極の意味で今を生きている人々。

文明が進み何不自由なく暮らせるようになった現代の私たちからすれば、なぜ今日までそのような生活にこだわり続けているのか疑問に思ってしまいます。

しかし、そんな彼らの幸福度は非常に高く、自殺などしないというのです。

感謝も反省もしない彼らにストレスは無縁。

インターネットが普及した現代の人々は不幸になってしまったのか?プナンの人々がもつ死生観や倫理観が私たちに教えてくれるものはあるか?

人類学者が彼らと暮らして何を感じるのか。

プナンの人々の生態も読んでておもしろい一冊。

複眼人 / 呉明益

自然と人間をテーマに描かれた小説。

自然と括ってもその在り方は多様で人間にも同じことがいえます。

自然を壊すもの、自然を愛するもの。自然の脅威に見舞われるもの、恩恵をうけるもの。

作中では様々な“死”が語られます。

複眼人は見ている。

複眼人とは何か。複眼人は私たち人間に何かしてくれるのか。

難解な表現が多く最初は戸惑いますが、慣れた頃には雄大な自然が目に浮かぶようです。

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生まれた時からアルデンテ / 平野紗希子

食べ物について綴ったエッセイ集。

表紙から漂うオシャレ感。中身もしっかりオシャレでした。

五感全てで料理を楽しむから筆者の言葉には力があるし納得させられます。

そういえばそういうふうに料理を見たり味わったりしたことがなかったな。

食も教養なんですね。

エッセイ特有の、それでこそエッセイというような説教がましさが薄くて胃もたれせずに一気に読めます。

初めてのエッセイにオススメ。

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夜空はいつでも最高密度の青色だ / 最果タヒ

『最果タヒいいよね』がイマドキの象徴と聞いて買いました。

詩の嗜み方なんて知らないけれど、一語一句取りこぼさず全部わかろうとするのは違うようです。

なんというか、芳香剤を食べてるような。

詩というのはほのかに香ってそれとなく後に残る、そういうものだと思いましたとさ。

最果タヒいいと思う。

イマドキだからね。

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オリーブ・キタリッジの生活 / エリザベス・ストラウト

オリーブ・キタリッジは40代半ばの高身長で体格のいい女性。

気分屋でわがままで思ったことをすぐに口にしてしまう女性。

そんな彼女と家族と町の住人を綴った短編集。

一編進むごとに時がたち、一人息子も大人になり、最後にはオリーブも70歳を超えます。

いつの時代も悩みが尽きることはないけれど、それでもなんとか生きている。

一、二編で読むのをやめずに最後まで読んでほしい一冊。

長く生きてると言葉に表せないはかなさや、やるせなさになんと多く出会うことか。

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