2022年4月に読んだ本を紹介します。
小説やエッセイなどジャンルは様々です。
みなさんの読書の一助となれば幸いです。
- 夜と霧 / ヴィクトール・E・フランクル
- 怪獣記 / 高野秀行
- アーモンド / ソン・ウォンビョンアーモンド / ソン・ウォンビョン
- 貞観政要 / 守屋洋 訳
- 煙か土か食い物 / 舞城王太郎
目次
夜と霧 / ヴィクトール・E・フランクル
読んだ方がいいと言われてきて結局読まずにここまできた一冊。
もっと早く読むべきだった一冊。
被収容者として強制労働所に収容された精神科医が綴ったもの。
いつ死んでもおかしくない過酷な状況はその場の死生観に大きく影響を与えます。
“どうして生きるのか”について考え、答えに辿り着く著者。
ここで語られる多くの惨たらしい出来事は、今となってはリアリティに欠けるものかもしれません。
しかしその死生観は唯一無二のものであり、本書でしか得ることができません。
考えさせられる一冊。
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怪獣記 / 高野秀行
未確認生命物体は本当に存在すると思いますか?
その答えがここにあります。
湖に住む怪獣を探しに行く一行。
やらせなし、すべて本当のことなので、坂上から岩が転がってきたり、大きな檻が破壊されるような大味の展開はありません。
ただ淡々と、かつ確実に“ソレ”に近づいていきます。
そして目の当たりにします。
“絶対にない”なんてことは絶対にない。
探検心くすぐる一冊。
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アーモンド / ソン・ウォンビョン
2020年本屋大賞 翻訳小説部門 第1位の作品。
生まれながらに扁桃体(アーモンド)の小さい主人公は、感情が極めて乏しい男の子。
目の前で母親と祖母が通り魔に襲われた時にも無表情。
自分が酷い目にあっても眉ひとつ動きません。
そんな彼の人生のお話です。
めったに小説は読まないけれど、おもしろくて寝る間も惜しんで一晩で読みました。
“涙が止まらない”と絶賛の作品。だそうです。
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貞観政要 / 守屋洋 訳
帝王学の題材として長く取り上げられている“貞観政要”は唐の明君、太宗とその家臣との政治問答集です。
その問答のほとんどが国を永く繁栄させるための心得にあり、“守り”の教えです。
人のあるべき姿を説き、経営者だけではなく全ての方がこの本から学びがあると思います。
これを読めば、自分の姿勢を正さねばと思う反面、うちの上司も太宗だったらなあと夢のような思いにもなるでしょう。
貞観政要の訳書は多く、理解の難易度もそれぞれですが、守屋洋氏訳の本書は初心者向けです。
重要な問答のみ抜粋しわかりやすく訳されています。
貞観政要は読んでみたいけどどれを買ったらいいか分からない方はこの一冊から始めてみることをオススメします。
ちなみに“じょうがんせいよう”です。
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煙か土か食い物 / 舞城王太郎
アーモンドをきっかけに小説にハマりかけてそんな最中に選んだ一冊。
アメリカで外科医を勤める主人公は、高身長イケメン、頭も良く、おまけに喧嘩も強い自信家で横暴な人柄。
そんな彼に母親が連続主婦暴行事件に巻き込まれたという知らせが入り日本へ帰国することに。
粗末な警察の捜査にうんざりし、自ら旧友を呼び寄せ犯人探しを始めますが目の前に現れたのは家族問題。
いつの時代も彼の邪魔をするのは家族です。
彼が海外に飛び出したのも、彼の3人の兄も父親もそのまた父親の祖父もそろいもそろってヤバいやつだったから。
今、みなさんがとっさに想像する“ヤバい”よりもヤバい家族。
もちろん事件も解決しますし、伏線の回収もあります。
でもそれを忘れさせるほどの血みどろの暴力があります。
おもしろくて一気に読んでしまいましたが、読み直す気にはなかなかならないお腹いっぱいな一冊。
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気になる一冊はありましたか?
良ければ皆さんのオススメも教えてください