地元を離れて8年も経つと見慣れていたはずの風景が新しく見えます。
名前を言えば住所がわかるほどの田舎に産まれた私は当時、こんなところに住みたくないと思い家を出ましたが最近はこの田舎感がたまらなく好きだとも思い始めました。
早起きして釣りに出かけ、昼はのんびりし、夕方海辺を散歩する。
この生活がつまらないと思っていたのはまだ若かったからでしょうか。
それともそれが当たり前だと思っていたからでしょうか。
潮風で錆びついたカーブミラー。
よく晴れた日の夕方こそ家でのんびりしている場合ではありません。
急いで散歩に出かけることにしました。
人なんてめったにいないので服装を気にすることもありません。
波打ち際が夕日に照らされている様を見ると夏が来たなって思います。
海の向こうから水着姿の若かりし自分が現れ、着替えもせずそのまま家まで帰って行く姿が思い起こされます。
何年も前からここにいたんですね。
田舎の隠れた名所としてこの時期になるとサーファーの方が多くこの海を訪れます。
近くにこんな良い波があるなんて住民の方は羨ましい、なんて思うのでしょうか。
20年後には無くなっているかも入れない町に価値を見出しているのは案外外部から来られた方かもしれません。
流木に乗ってみたり、
潮だまりをリフレクションだと言ってみたり。
やってることは昔となんら変わりませんが、今も変わらず楽しいものです。
驚くほどに波の打ちつける音しかしない夕暮れ。
その場に座って日没まで眺めていたかった。
日没まで数分なら叶ったかもしれないけれど、まだ1時間近くあるのでまた今度でいっか。
カメラを始めたことも、生まれ育ったこの町を改めて気に入っている理由の1つにあると思います。
人もいないし、海も山もある。
廃校になった小学校をみると写真を撮りたくなるし、一般に開放してくれればなと思います。
持て余した土地を拓いてキャンプ場にするのもあり、海の近くで小さなコーヒーショップを開くのもあり。
なんだか可能性を感じてきました。
ぜひみなさんに遊びにきて欲しいです。
いい感じに廃れているこの町全体がフォトスポットと言えます。
思ったより自然に飲まれているのであらかじめの心の準備が必要ですが。
いいところです。
ようこそようこそまた来てごしない。