目次
1.今、あなたは正しいことに力を注いでいるのか?
情報社会の現代、ただ生きているだけでも大量の情報が流れ込んで来ています。
その情報の1つ1つに目移りしていませんか?
たくさんの仕事を与えられ優先順位も見極める間もなく期限に追われてはいませんか?
正しいことに力を集中できなければ力が分散して全てが中途半端になってしまいます。
今回紹介するグレッグ・マキューン著『エッセンシャル思考』ではより少なく、しかしよりよくの考え方のもと自分自身の人生を他人に操られることのない充実したものへと変えていく方法を学ぶことができます。
2.『選ぶ』ことがエッセンシャル思考の第一歩
断ることを極端に嫌う世の中の風潮から優秀な人ほど些細な物事に埋もれてしまいがちです。
本質を見失うことの代償は大きく、自分で優先順位を決めなければ他人の言いなりになってしまいます。
死を迎える直前に多くの人が「他人の期待に合わせるのではなく、自分に正直に生きる勇気が欲しかった」と後悔するのは、やることを減らし人生をシンプルにして本当に重要なことだけに集中する難しさを物語っています。
人生を豊かにし、成功するためには常に『選ぶ』ことを自覚することが第一歩なのです。
家族や趣味、仕事や健康どれが自分にとっての重要なものかを意識しながら毎日を生きていますか?
また、その重要なものが些細な物事に侵略されてはいないでしょうか。
選ぶということは他のものを切り捨てるということです。
時には魅力的な機会が目の前に訪れるかもしれません。それでもその機会の多くは取るに足らないものです。
本当に重要なものを見極め心に留めておけば惑わされることはありません。
本書で紹介される例のように、妻の出産の直後に仕事に出かけるようなことは本質を見失い人生の後悔となるかもしれないのです。
3.『見極める』ことがエッセンシャル思考の真髄
本質的なものを見極めるには、
- じっくり考える余裕
- 情報を集める時間
- 遊び心
- 十分な睡眠
- 何を選ぶかという厳密な基準
の5つが重要であるとしています。
立ち止まって考えることを時間の無駄と考えてしまうと最短コースに気づかず回り道をしてしまうかもしれません。
情報を集めてその中から大局を見る。シンプルに物事を進めるために必要なことです。
話し合いの中で何かにつけてはその話し合いを止め、意見する人は周りにいませんか?
そういう人は、話し合いに耳を傾けてはいますが無関係な細部に気を取られ、意味を履き違え、自分がコメントすることだけを考えている。
そういう人は話の大筋を見失っているのでいつまで経っても本質には辿り着きません。
遊びはストレスを軽減させ計画、予想、委譲、決断などの実行機能に良い影響を与えます。また内なる子供の声は創造性に富んでいるため新しいことを始めるには遊びは必要不可欠といえます。
また、自分という資産を守るためには睡眠も重要です。1日の徹夜や1週間の短時間睡眠は酔っ払っている時と同程度の機能低下があるとされ生産性を大きく損なう要因となります。
加えて、明確で厳しく、そして正しい基準を設けなければ、大多数の些細な物事から本質を見出すのは難しくなってしまいます。
4.暮らしに取り込んでこそのエッセンシャル思考
より少なく、しかしより良くを主体としたエッセンシャル思考は努力なしの自動的な仕組みを取り入れることに重きを置いています。
常に最悪の事態を想定する、見積もりは1.5倍で考える、徹底的に考察し問題の大本を探す、明確で小さな進歩を体感できる目標を決めるなどありますが、その最たるは集中と言えるでしょう。
今、何が重要かを常に考えることは、過去や未来に囚われず現在を生きることに集中できます。
迷わない、流されないシンプルな思考は残り時間が本当にわずかしかない人生に幸福をもたらします。
エッセンシャル思考を生きることは後悔なく生きることです。本当に大切なことを見極め、そこに最大限の時間とエネルギーを注げば、後悔の入り込む余地はなくなります。自分の選択を心から誇りに思うことができるのです。
本書ではその他に、組織として成功する目標設定の方法であったり、リーダーとしてのあり方も記されています。
気になった方は是非読んでみてください。
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