読書をすることは良いことと言われていますが、無闇矢鱈に読めば良いと言うわけではありません。
100冊読んでも覚えていなければ無意味。
本を読みなさい!と1度は皆さん言われたことがあるかもしれませんが、ちゃんと内容を覚えて人生に活かしなさいとはなかなか言われたことがないのではないでしょうか。
いつのまにか本を『読む』ことが目的になっていませんか?
読書が趣味の方もこれからしようという方も興味のない方も今回紹介する
樺沢紫苑著『精神科医が教える読んだら忘れない読書術』に1度目を通してみてはいかがでしょう。
読書をする習慣のない方の多くに本を読む事で得られる利点が少ない、または無いと思っておられる方もいるようです。
本書ではまず本を読む事で得られることを8つ紹介しています。
例えば、読書をすると頭が良くなる。人生において成功する。
これだけ見ると安っぽく、詐欺まがいな謳い文句に思えるかもしれません。
しかしながら本書の執筆者は精神科医で頭の中をよく知るプロ。
本に記されている内容は論文からの引用も多く、詳しく説明もされているので間違い無いようです。
本を読む事で得られる利点の中で特に目を引いたのが、
『高齢になってからの読書は精神退化を32%遅らせ、逆に頭を全然使っていないと精神退化が48%加速する』というもの。
ここまで言われて読書をしないなんて手はないと思いませんか?
本書ではこういった実例を挙げながら読書に対して前向きな印象を強く与えてくれます。
『YouTubeで情報収集できるから読書は不要』という意見もあるかもしれません。
これについても詳しく説明されています。
YouTubeと読書は別物であることも本書を読めば納得するはずです。
精神科医の著者が習慣にしている読書術を学べば、今後の人生に大きな影響が与えられる事でしょう。
簡単に説明すると、読んだ後のアウトプット、読むタイミング、そして読む時に意識すること。
アウトプットとはなにも誰かに読んだ本を紹介するだけに止まりません。
読む以外のことを並行して行う。英単語を覚えるのと同じような要領です。
忘れないようにするには覚えようとすること。
脳科学的な観点からも詳しく説明されています。
紹介された方法はどれももしかしたら皆さんが無意識的にされているかもしれませんが、意識してそうしている人は少ないはずです。
同じことでも知らずにしてるのと知っててするのでは強度が全く違うのも重要な点です。
読書をすることの利点、忘れない読書術の次は本の選び方です。
多くの方は本を読むことに興味があるがどの本を読むかには興味がない。
本書で取り上げられている問題です。
多くの本を読むことより何の本を読むかが重要であると説き、身の丈にあった本を読むことを薦めています。
残念なのはせっかく本を読んでも理解できずただ時間を無駄にしてしまうこと。
読む量が増えてでも初級から中級へとステップアップするように学ぶと生活に活かしやすくなります。
また、ベストセラーではなく自分軸での本探しが大事であるとし、自分にとってのホームラン級の本探しはアマゾンのレコメンド機能にあると書かれています。
他にも直感的な本探しや引用検索など面白い視点での方法も紹介されています。
そして本を買う上でどうしても掛かかってしまう費用。
お金を払って読むんだから失敗したくないという心理も理解した上で上手に解決していく方法も詳しく説明されています。
最初にも述べましたが、読書を趣味にしている方、これからしようとしている方、読書に興味のない方全ての人におすすめの本です。
自分自身もっと早くこの本を読んでおけばよかったと思いました。
ある人がその人生をかけて仕上げた本を読むことはその人の人生分得をしたという考え方から読書の重要性、また、読んだ内容を忘れないことの重要性がよくわかります。
この本では最後に、毎月30冊読む精神科医の著者がおすすめする本も紹介されています。
何冊かまとめて購入する前に、とりあえず本書だけ購入して読んでみるのが良いかと思います。
あらゆる可能性の選択肢を増やしてくれるのがまさに本であると良くわかる内容でした。
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